気まぐれな日記等を公開します。
お待たせしました。今回は「私の英雄」の方をUPさせていただきます 「私の英雄」~第一話「少年と少女」~ 青い空、広大に広がる草原、心地よい風が吹く・・・ 草原には沢山の馬が自由に走り回っている ここは『リンカー』と呼ばれる田舎町である 「もう・・・どこに行ったのかなぁ・・・」 少女はつぶやいた 息を切らしてるところ見ると誰かを結構な時間捜していたみたいだ 「おや?ミリーちゃんじゃないか。そんなに疲れてどうしたのかな?」 と、村人が少女に尋ねた 「あのねリィンス探してるんだけどどこにも居なくて・・・」 「リィンス君なら馬と一緒に外に行ったのを見かけたからいつもの所にいるんじゃないかな?」 「そういえばまだあそこに行ってなかったわね・・・ありがとうおじさん!」 そういってミリーは村の出口へと走り出した 「気をつけてな。夕暮れまでには戻って来るんだぞ。」 村の外は広大な牧草地が広がっている そのためリンカーは酪農で生計をたててる者が多い 「あ、いたいた!」 ミリーの視線の先には馬にまたがっている一人の少年が居た 「リィンス!やっと見つけたわよ!」 「ん?ああ、ミリーかどうしたのさ?」 「どうした?じゃないわよ!早くしないと儀式はじまっちゃうよ!」 「儀式?あー・・・もしかして成人の儀式のことか?」 「そうよ!遅れたりしたら大変だから早めに会場に連れて行こうと思ってこうして探してたんじゃない!」 成人の儀式とはいわゆる成人式のことである。 この時代では現在のように男女両方20歳から成人ではなく男は16歳、女は18歳から成人として認められる。 成人を迎える男児は成人の儀式にて「証の焼印」を受け初めて一人前として認められるのである。 「まったく・・・焼印がそんなに怖いの?」 「いや別に怖くはないけど・・・ていうかさ儀式今日じゃなくて明日だと思うんだけど・・・」 「え?今日は15日でしょ?」 「ミリー・・・今日は14日だけど?」 「えー!絶対に15日だって!」 「じゃああそこのおじさんに聞いてきなよ」 リィンスが放牧の帰りであろう親父を指差した 「ふふーん。私が正しかったら今度買い物付き合ってよね」 「・・・まぁいいけど」 「じゃ聞いてくるね」 意気揚々に親父の方に向かっていった ・・・数分後・・・戻ってきたが・・・その足取りは重い 「ははは。顔真っ赤だな」 「うう~・・・」 結果。今日は「14日」。 「う~・・・日にち間違えるなんて・・・恥ずかしい・・・」 「まぁまぁよくあることだって」 しばらくからかっていたがミリーの目に涙が浮いてきたのを見てからかうのをやめた ミリーはいつも気が強いと思われているが実際はかなり弱い子だ リィンスはミリーに手を差し伸べた 「さ、帰ろうか。明日の準備もあるしね」 「・・・うん」 ミリーの手をしっかり握り馬に乗せた そしてゆっくりと馬は歩みだす 「・・・ごめんね・・・一人で勝手に浮かれてて・・・私のことじゃなくてリィンスの事なのにね」 「気にするなって。それより準備手伝ってくれよな?」 「うん」 ゆっくりと村の門へと近づく・・・ リィンスはミリーの体をしっかり支えながらゆっくりと馬の歩を進める ふと空を見上げた そこには鮮やかな夕焼け雲が流れていた・・・ 「・・・綺麗な夕焼けだな・・・」 「うん・・・そうだね・・・」 ミリーも空を見上げてそういった リィンスはそのミリーの姿を見ていた そしてボソッと 「・・・こうして大人しければこんなに可愛いのになぁ・・・」 「え?なに?何かいった?」 「いや何も」 「そう?」 といったやり取りをしているうちに村に着いた 次の日彼は大人として初めての日を迎える PR 2007/02/09(Fri) 23:34:29
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